最近車を買い替えました。前の車は、もう15年ほども働いてくれたそうなのですが、私との付き合いは1年ほどでした。主人が独身時代から乗っていたものを、後から私が運転するようになったのです。
結婚以来ペーパードライバーと化していた私は、最初のチャレンジで車を塀にこすってしまい、「危なすぎてカギは渡せない」通告を受け、数年間運転を断念していました。しかし必要に迫られ、再チャレンジすることになりました。
今度は、子供を乗せるという緊張感から、もっと慎重に慎重に…と気を付けて頑張ったところ、なんとか乗り続けることができました。
久しぶりに一人で公道に出たときは、心臓バクバクで、「頑張れ!頑張れ!」と自分に声を掛けたものです。
ひやりとする時、恥をかいたことや他の運転者に邪険にされたこともありました。でも半年、一年とこの車と頑張ってきました。車を降りるときはありがとう、と声を掛けボンネットに触れる日もありました。
しかし古い車ですから、日を追うごとに燃費の悪さが感じられ、かさむガソリン代に思い切って買い替えを決意しました。家計のためにはしょうがありません。
税制の変化や車選びにかけられる時間の制約などから、少し慌てるように次の車を決定し、どんどん納車の日は近づいてきました。
当日、販売店に愛車を引き取ってもらう約束でした。
自分でも驚くくらいに愛車に愛着を感じ、寂しくなるのがわかりました。だって苦労を共にしたんだもんね。どうにかして、愛車に感謝の意を表したい…相手はモノ、自己満足でしかないかもしれないけど、こういう節目は大事なように思えました。
考えた結果、はなはだ簡単ですが、清酒でお清めをすることにしました。子供たちも交え、家族全員でタイヤ一本一本に少しのお酒をふりかけ、「ありがとう。」と声をかけました。無事故で、ここまでみんなを守ってくれてありがとう。新しい持ち主さんに、可愛がってもらうんだよ。
ふわりと香る日本酒の甘い香りと共に、みんなが優しい気持ちになりました。
記念写真を撮り、販売店へ最後のドライブとなりました。いつもそんなことはしないのに、ラジオから流れてきた槇原敬之さんの「遠く遠く」に合わせて、家族全員で歌っていました。涙が出そうになりました。
愛車にガラスコーティングを施工して、綺麗をいつまでも続けたいと思っています。ガラスコーティングは専門業者にお願いすることが綺麗を保つコツではないでしょうか。